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迂路と偶然 『氷菓』と京都アニメーションの可能性

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 コミックマーケット101で頒布した評論誌です。  本書は、アニメ『氷菓』の読解を中心にして、京都アニメーションおよび2000年代後半から2010年代、そしていまに至るフィクション経験を扱った評論です。『氷菓』は、単に優れたアニメーション作品であるというだけではなく、京都アニメーションというスタジオのある部分が結晶した作品だと考えています。それは、『氷菓』以前の作品で主題化された問題系が継承されていると同時に、『氷菓』以後の作品で重要な主題として浮上してくるそれが先取りされている、ということを意味します。  それはすなわち、2010年代前後の日本におけるアニメーションあるいはフィクションのある部分が、一つの作品のなかに看取されうる、ということでもあると考えます。そこで、『氷菓』の読解を中心に据えつつ、京都アニメーションをはじめとする同時代の作品群の文脈という間テクスト空間へとはみ出しながら、わたしたちにとっての「いま・ここ」の輪郭や手触りのようなものを書き留めようと試みました。 A5版本文80頁、約4万字になります。 目次は以下の通りです。 序   まわり道の地図 第一章 「わたし」と「セカイ」の憂鬱と和解 第二章 きっと「特別」なわたしたち 第三章 誤配と偶然性の探偵 第四章 春を待つ依頼人 第五章 黄昏どきをとぼとぼと歩く 結   ふたたび「緋色の研究」 あとがき

 コミックマーケット101で頒布した評論誌です。  本書は、アニメ『氷菓』の読解を中心にして、京都アニメーションおよび2000年代後半から2010年代、そしていまに至るフィクション経験を扱った評論です。『氷菓』は、単に優れたアニメーション作品であるというだけではなく、京都アニメーションというスタジオのある部分が結晶した作品だと考えています。それは、『氷菓』以前の作品で主題化された問題系が継承されていると同時に、『氷菓』以後の作品で重要な主題として浮上してくるそれが先取りされている、ということを意味します。  それはすなわち、2010年代前後の日本におけるアニメーションあるいはフィクションのある部分が、一つの作品のなかに看取されうる、ということでもあると考えます。そこで、『氷菓』の読解を中心に据えつつ、京都アニメーションをはじめとする同時代の作品群の文脈という間テクスト空間へとはみ出しながら、わたしたちにとっての「いま・ここ」の輪郭や手触りのようなものを書き留めようと試みました。 A5版本文80頁、約4万字になります。 目次は以下の通りです。 序   まわり道の地図 第一章 「わたし」と「セカイ」の憂鬱と和解 第二章 きっと「特別」なわたしたち 第三章 誤配と偶然性の探偵 第四章 春を待つ依頼人 第五章 黄昏どきをとぼとぼと歩く 結   ふたたび「緋色の研究」 あとがき